看護師が辞めるベストなタイミングとは?後悔しない見極めポイント
「もう限界かも…」「辞めたいけど、今じゃない気もする…」
看護師として働いていると、ふとした瞬間にそんな思いがよぎることがあります。
でも、感情のままに動いてしまって「辞めなきゃよかった」と後悔するのも怖いですよね。
そこで本記事では、後悔しない「辞めどき」を見極めるためのポイントを、現役看護師の視点から詳しく解説します。
私自身も「辞めたい」と思ったことが何度も何度もありました。
でも、だからこそわかる「タイミングの見極め方」があります。
辞めたいと思うのは、決して弱いことではない
まずお伝えしたいのは、「辞めたい」と思うこと自体は悪くないということです。
✔ 夜勤の疲れがとれない
✔ 人間関係に悩んでいる
✔ 家族や育児との両立が難しい
こうした理由で辞めたいと思うのは、むしろ自然なことです。
「他の人は頑張っているのに…」と自分を責める必要はありません。
看護師が「辞めどき」を見極める5つのサイン
では、どんなときが“辞めどき”なのでしょうか?
以下のようなサインが出ていたら、一度立ち止まって考えてみてください。
- 身体的な不調が続いている
頭痛、吐き気、不眠など、体からのSOSが出ているとき。 - 出勤前に涙が出る・動悸がする
精神的な限界が近づいている可能性があります。私は新人時代、ずっとこの症状が出ていました。 - やりがいや達成感を感じなくなった
モチベーションの低下は重要なサイン。 - 周囲のサポートが得られない
相談できる人がいない職場では孤独感が増します。 - プライベートを犠牲にしている
家庭や自分の時間が全く取れない状況は危険信号。
「もう少し頑張るべき?」と迷ったときの判断軸
「辞めたいけど、もう少し頑張れるかも…」
そんなときには、次の3つの軸で考えてみましょう。
- 変えられること:部署異動や勤務形態の変更で改善できそう?
- 変えられないこと:人間関係や組織文化は変わりづらい
- 続ける価値:この職場にいることで自分に何かプラスがあるか?
これらを冷静に整理すると、今すぐ辞めるべきか、様子を見たほうがよいかが見えてきます。
「辞める=逃げ」ではなく、「新しい一歩」
辞めることに罪悪感を感じる方も多いかもしれません。
でも、辞めることは決して逃げではありません。
むしろ、自分や家族を守るための前向きな決断です。
看護師は「辞める自由」がある。
あなたには、もっとあなたらしく働ける場所がきっとあります。
大切なのは「辞めること」ではなく「どう辞めるか」。
次のキャリアに向けて前向きに動くためにも、タイミングを見極めていきましょう。
→ 後半では、年齢・状況別のベストタイミングや転職準備の流れ、失敗しない退職方法について詳しく解説します。
年齢別・状況別に考える「辞めどき」
「辞めたい」と思っても、年齢やライフステージによって最適なタイミングは異なります。
ここでは、20代〜50代の年代別に、辞める判断をどう考えるべきかをまとめました。
20代看護師の辞めどき
20代はスキルの吸収力も高く、まだ職場経験が浅い時期。
もし今の職場がつらくても「数年続けないと次に響くのでは?」と不安に思うかもしれません。
しかし、心身の不調を感じてまで続ける必要はありません。
「学べることがない」「心がついていかない」なら、早めの転職も大切な選択肢です。
また、新人教育体制が整っている施設や、日勤常勤のクリニックなど、若手を支える体制のある職場も多く存在します。
30代看護師の辞めどき
30代は、結婚・出産・育児など、ライフイベントが重なりやすい時期。
仕事と家庭の両立が難しくなり、「このままでは家庭が崩壊する」と感じて辞めたいと思う方も多いでしょう。
子育てに理解のある職場や、短時間正社員制度を設けている施設への転職を視野に入れるのも一つの方法です。
この時期は「もう少し頑張れば乗り越えられるかも」と思いがちですが、体力・気力が尽きる前に行動することが大切です。
40代看護師の辞めどき
40代はベテランとして期待される時期である一方、心身の疲労や責任の重さも増してくる年代です。
「このままで定年まで働き続けられるのか」と悩む方も少なくありません。
役職に就いている方でも、環境を変えることで再びやりがいを取り戻せるケースも多いです。
例えば、訪問看護や企業看護師、保育園看護師など、専門性を活かせる働き方に目を向けると、新たな可能性が見えてきます。
50代看護師の辞めどき
体力的な不安や将来の不安が強まる50代。
「もう転職は難しいかも」と思う方もいますが、経験豊富な看護師はどの世代でも求められています。
ただし、給与・条件に過度な期待を持ちすぎないことも大切です。
「自分らしく、無理せず働ける職場」を軸に選ぶことで、安心して長く働くことが可能になります。
家庭の状況別で考える辞めどき
家庭環境も、辞めどきの大きな判断材料になります。
育児中のママナースの場合
小さなお子さんがいると、夜勤や長時間勤務が大きな負担になります。
「預け先が確保できない」「子どもが寂しがっている」
そうした悩みが続くと、親子ともにストレスが溜まりがちです。
保育園・幼稚園の預かり時間との兼ね合いや、配偶者や祖父母の協力体制を見直し、無理のない働き方ができるかを基準に転職を検討してみましょう。
介護と両立している場合
親の介護が必要になり、思うようにシフトに入れなくなるケースもあります。
急な呼び出しがあったときに休める体制かどうかは非常に重要です。
在宅医療やデイサービスの看護師など、柔軟な勤務が可能な職場への転職を検討する価値はあります。
辞める前にやっておくべき3つの準備
① 金銭面の見通しを立てる
辞めたあとすぐに再就職しない場合、生活費・保険料・退職後の収入源を事前にシミュレーションしておくことが大切です。
失業保険や再就職手当など、公的な制度も確認しましょう。
② スキルの棚卸しをしておく
履歴書や職務経歴書を書く際、自分の強みや経験を振り返っておくと、スムーズに転職活動が進みます。
できれば実習指導・委員会経験・看取りやICU経験なども整理しておくと、希望職場とのマッチ度を高められます。
③ 情報収集と見学
求人サイトやハローワークだけでなく、実際に見学して雰囲気を確かめることも大切です。
今は転職サイトでも見学同行してくれるサービスがあるので、積極的に活用して「ミスマッチ」を防ぎましょう。
「円満退職」のために気をつけたいこと
辞める際に気をつけたいのが、職場との関係です。
感情的になって辞めると、後味が悪くなってしまいます。
退職を伝える際は、1ヶ月以上前に直属の上司に話を通し、引き継ぎなどに協力する姿勢を見せましょう。
また、退職理由はポジティブに伝えるのがコツです。
例:「新しい分野にチャレンジしたい」「家庭とのバランスを見直したい」など。
「辞めてよかった」と思える未来のために
辞めることは、決して後ろ向きなことではありません。
むしろ、「自分の人生を取り戻す」大きな一歩です。
私自身、育児との両立が難しくなり辞めた経験があります。
でも今は、家庭も大切にしながら看護の仕事を続けられています。
迷っているなら、少し立ち止まって、自分に問いかけてみてください。
・このまま続けて、私は幸せ?
・自分の人生、このままでいい?
どんな選択にも、間違いはありません。
ただ、納得のいく決断ができるように、少しずつ準備を始めましょう。
コメント